再発の可能性が高い乳がん患者にHER/neuたんぱく質の一部を使ったE75ペプチドワクチンを投与することで、再発のリスクを低減できる可能性が報告された。アメリカWalter Reed Army Medical CenterのPeoples GEらが、アメリカで開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウムで発表した。研究グループは、乳がん患者で高発現していると予後が悪いことが明らかになっているHer/neuたんぱく質の369番目から377癌目までのアミノ酸配列を用いたE75ペプチドとGM-CSFを混合して皮内に投与した。リンパ節転移陽性患者95人のうち、HLA-A2抗原が陽性である患者49人にE75ペプチドワクチンを投与し、HLA-A2抗原が陰性である45人の患者は対照とした。リンパ節転移陰性患者91人のうち、HLA-A2抗原が陽性である患者51人にE75ペプチドワクチンを投与し、HLA-A2抗原が陰性である40人の患者は対照とした。リンパ節転移陽性群と陰性群を集約して解析したところ、ペプチドワクチン接種群では獲得免疫反応が誘導されており、ワクチン接種群の再発率は8.3%、対照群では再発率が16%であった。
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