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プロフィール

Author:新板橋クリニック
平成18年4月1日東京都板橋区、都営地下鉄三田線新板橋駅より徒歩1分に、清水公一を院長として、新板橋クリニックを開設いたしました。
消化器・胃腸科、外科を中心に、一般内科、肛門科を診療いたします。生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症など)の診療を行い、身近なかかりつけ医(ホームドクター)として、また予防医学にも力を入れ、温かくわかり易い診療で近隣の皆さん方のお役に立てるように努力して参りたいと思っております。
がん治療(早期発見・診断、手術、化学療法、緩和医療)に長く従事していたことから、がん集学的治療を行う腫瘍センター(オンコロジーセンター)を併設いたしました。
また人間ドック、消化器がん専門ドックなどにも力をいれております。
検査設備としては、上部内視鏡検査(咽頭・喉頭・食道・胃・十二指腸)及び下部内視鏡検査(大腸)(いわゆる胃カメラ・大腸カメラ)、レントゲン透視、超音波検査(エコー検査)、心電図等充実させております。
院長や医師の豊富な経験をもとに、近年ご要望の多いセカンドオピニオン等のがん医療相談も予約制で行っておりますのでご相談ください。

医療理念

医者と患者という人間同士が、健康・病気を相談しながら共同で診ていくことを目指します。人を思いやり、安心と満足をもたらし、心身共に幸せにできる医療を目指して行きたいと思っています。

新板橋クリニック

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新板橋クリニックからのお知らせブログ、診療案内や、病気のお話など
細胞内のコレステロール量を一定にたもつ

「コレステロールと動脈硬化の微妙な関係」 



〜動脈硬化をふせいでお達者になろう〜 



食事とコレステロールはどの程度関係しているのでしょうか?

実は、あんまり関係していませんでした。



第1回から連続してお届けしています。



第23回:食事とコレステロールの関係 その2



Q: 食事を注意しても血液中のコレステロールの量・値は、ほとんどさがりません。どうしてなのでしょうか?


A: 2つ理由があります。おさらいしましょう。

コレステロールプールを制御するしくみ。

「動的平衡」から観てみましょう。ポイントは、「細胞内の新しいコレステロール量を維持する」「つくったり、こわしたり」「循環」そして、「動的平衡(ゆらぎ・動き)」です。以下に記載しますね。


おぼえがき
1. 肝臓で、古いコレステロールをこわして、新しいコレステロールをつくります。「こわしたり、つくったり」をくりかえすことで、生体の恒常性・機能を維持します。
2. 新しいコレステロールは、それ自身は血液にとけないため(脂なので・・)、輸送体にのせられて(LDLコレステロールと呼びますね)、末梢臓器・細胞に輸送されます。
3. 末梢臓器・細胞には、新しいコレステロールを受け取る入り口(コレステロール受容体:LDL受容体と呼びますね)があります。配送されてきた新しいコレステロールは、LDL受容体を通して、血液から細胞内に取り込まれます。
4. 細胞内の古いコレステロールは、輸送体(HDLコレステロールと呼びますね)にのせられて、末梢臓器・細胞から、肝臓まで輸送されます。
5. 肝臓では、LDL受容体を通して、新しいコレステロール(LDLコレステロール)を細胞内にとりこんで、品質チェックします。合格したものは、再び、輸送体(LDLコレステロール)にのせられて、輸送されます。また、HDL受容体を通して、古いコレステロールを細胞内にとりこんで、こわします。
6. 肝臓は、1〜5を繰り返しながら、コレステロールの一部から胆汁(脂肪の消化を助ける消化液)をつくり、消化管の中に排出します。
7. 排出された胆汁の90%は腸管から吸収され肝臓にもどってきます。もどってきた胆汁はコレステロールプールの中にはいり循環します。残りの10%の胆汁は腸管から吸収されず、便となって体外に排出されます
8. 体外に排出された分のコレステロールは、食事から新しくとりいれます。食事中のコレステロールは、必要な分だけ腸管から吸収され肝臓に運ばれて、新しいコレステロールとしてプールの中にはいり循環します。

1〜8の動的平衡で体内のコレステロールプールは常に循環して、コレステロールはできたりこわれたりしながら、「細胞内のコレステロール量を一定にたもつ」ようにしています。


肝臓で合成するコレステロールのうち、食事由来のコレステロールは5〜20%程度で、残りは体内の再利用なので、食事を注意しても、再利用でまかなえます。そのため、肝臓で合成するコレステロール量は変化せず、血液中の数値も変化しません。また、そもそも、細胞内のコレステロール量を一定に保つように制御されているので、細胞内のコレステロール量が不足していると、肝臓でのコレステロール合成は盛んな状態が続くので、食事を注意しても変化しません。


体内の動的平衡は上記に記載するように、精密に制御されています。


つづく

食事を注意したらよくなるの?

「コレステロールと動脈硬化の微妙な関係」 



〜動脈硬化をふせいでお達者になろう〜 



食事とコレステロールはどの程度関係しているのでしょうか?



第1回から連続してお届けしています。



第22回:食事とコレステロールの関係 その1



Q: 食事を注意すると血液中のコレステロールの量・値はさがりますか?たとえば、脂肪分を控えるとコレステロールの量・値はさがりますか?


A: ほとんどさがりません。


食事を注意しても血液中のコレステロールの量・値は、ほとんどさがりません。とくに、更年期・閉経後の女性の方は、食事をいくら注意しても数値はさがりません。

どうしてなのでしょうか?

つづく

更年期以降の女性が女性ホルモンを補充するとコレステロールは?

「コレステロールと動脈硬化の微妙な関係」 



〜動脈硬化をふせいでお達者になろう〜 


更年期以降の女性は、末梢臓器・細胞内のコレステロールプールの量が減少(たりない)しています。その原因は、新しいコレステロールが、細胞内に入りにくくなっているためでした。


第1回から連続してお届けしています。



第21回:なにがおこっているの? その3



Q: 末梢臓器・細胞内はコレステロールが足りないのですか?


A: そうです。


更年期以降の女性に、更年期症状を緩和・改善するために、女性ホルモン補充療法が行われます。女性ホルモンを投与すると、なにがおこるでしょうか?コレステロールの数値は・・・?

補充前は血液中のコレステロール(総コレステロールやLDLコレステロール)の量・値が上昇していた女性が、女性ホルモンの補充を始めると低下し始めます。しばらくすると、若いころ(卵巣機能が盛んな時期)の数値にもどります。




つづく

コレステロールの数値が上昇する更年期以降女性:コレステロールが不足している?

「コレステロールと動脈硬化の微妙な関係」 



〜動脈硬化をふせいでお達者になろう〜 


更年期以降の女性は、コレステロールをどうしたらいいのでしょうか?制限したらいいのでしょうか?数値をさげたらいいのでしょうか?

今日の話は、女性の方にとっては大切ですよ。


第1回から連続してお届けしています。



第20回:なにがおこっているの? その2



Q: 更年期以降の女性では、血液中のコレステロールの量・値が上昇してきます。とくにLDLコレステロールの量・値が上昇してきます。なにがおこっているのですか?


A: 末梢臓器・細胞内のコレステロール量が減少しています。



更年期以降になると、卵巣から分泌される女性ホルモンの量・数値が減少してきます。女性ホルモンの量・数値が減少すると、コレステロールプールに影響があるのでしょうか?

実はあります。女性ホルモンは、細胞表面のコレステロール受容体(LDL受容体)の数を増やして維持する作用があります。LDL受容体は、LDLコレステロール(輸送体の名前ですね)から、新しいコレステロールを受け取り、細胞内にとりいれる入り口となります。LDL受容体も、創ったり、こわしたりしながら(生体自身が)、動的平衡を保ち、細胞表面に存在します。女性ホルモンは、LDL受容体の動的平衡を活性化して、創ったり、こわしたりの回転が早まります。また、細胞表面に存在するLDL受容体の数が増加します。そのため、女性ホルモンの量・値が減少すると、細胞表面のLDL受容体の数は減少します。


すると・・・?

LDL受容体の数が減少するので、末梢の臓器・細胞内にとりこまれる「新しいコレステロール」の量が減少します。細胞内の古いコレステロールは、細胞内から回収されていきますので、細胞内にプールされているコレステロールはどんどん減少します。

細胞内のコレステロールプールを一定にたもつように制御されているので、細胞内のコレステロールプールの減少を感知すると、肝細胞内では、新しいコレステロールを創る(同化)量を増やします。

肝細胞内で増産される「新しいコレステロール」は、輸送体にのって(LDLコレステロールと呼びますね)、末梢臓器・細胞に運ばれます。けれども・・・・。

けれども、LDL受容体の数が減っているので、細胞内に思うように取り込まれません。また、血液中を循環するLDLコレステロールを肝細胞内にとりこんで、品質をチェックするためにも、LDL受容体が必要です。けれでも、肝細胞表面のLDL受容体の数も減少しています。

結果として、女性ホルモンの減少と比例して、末梢臓器・細胞内の「新しいコレステロール」の量は減少します。そして、肝細胞は「新しいコレステロール」を創る量を増やして、血液中のLDLコレステロールも増加します。

つまり、更年期以降の女性が、年齢とともにコレステロール(LDLコレステロール)の量・値が上昇していくのは、末梢臓器・細胞内のコレステロールプールの量が減少(足りない)している状態を意味しています。血液中は多くても、コレステロールを必要としている細胞内では不足しているのです。


細胞内の新しいコレステロールが不足すると、どうなるのか?


それは、復習してみてくださいね。(第1回から読みかえしてください)


つづく

更年期以降の女性にはなにがおこっているの?

「コレステロールと動脈硬化の微妙な関係」 



〜動脈硬化をふせいでお達者になろう〜 


更年期以降の女性では、血液中のコレステロール量・値が上昇してきます。とくにLDLコレステロールの量・値が上昇してきます。どうしてなのでしょうか?LDLコレステロールは悪玉コレステロールとよばれています。悪玉コレステロールが高いと動脈硬化になるので、数値をさげないといけないといわれます。数値をさげる治療をうけた方がいいのでしょうか?


第1回から連続してお届けしています。



第19回:なにがおこっているの? 



Q: 更年期以降の女性では、血液中のコレステロールの量・値が上昇してきます。とくにLDLコレステロールの量・値が上昇してきます。なにがおこっているのですか?


A: 末梢臓器・細胞内のコレステロール量が減少しています。



しくみ・法則を順番にみていきましょう。


しくみ1:

細胞内のコレステロール量を「一定にたもつ」ように制御されています。


しくみ2:

肝細胞内で創られた「新しいコレステロール」は、輸送体にのって(LDLコレステロールと呼びますね)、末梢臓器・細胞まで運ばれます。

しくみ3:

「コレステロール受容体(LDL受容体)」という入り口を通って、新しいコレステロールは、細胞内にはいります。


それでは、更年期女性では、なにがおこっているのでしょうか?


つづく