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プロフィール

Author:新板橋クリニック
平成18年4月1日東京都板橋区、都営地下鉄三田線新板橋駅より徒歩1分に、清水公一を院長として、新板橋クリニックを開設いたしました。
消化器・胃腸科、外科を中心に、一般内科、肛門科を診療いたします。生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症など)の診療を行い、身近なかかりつけ医(ホームドクター)として、また予防医学にも力を入れ、温かくわかり易い診療で近隣の皆さん方のお役に立てるように努力して参りたいと思っております。
がん治療(早期発見・診断、手術、化学療法、緩和医療)に長く従事していたことから、がん集学的治療を行う腫瘍センター(オンコロジーセンター)を併設いたしました。
また人間ドック、消化器がん専門ドックなどにも力をいれております。
検査設備としては、上部内視鏡検査(咽頭・喉頭・食道・胃・十二指腸)及び下部内視鏡検査(大腸)(いわゆる胃カメラ・大腸カメラ)、レントゲン透視、超音波検査(エコー検査)、心電図等充実させております。
院長や医師の豊富な経験をもとに、近年ご要望の多いセカンドオピニオン等のがん医療相談も予約制で行っておりますのでご相談ください。

医療理念

医者と患者という人間同士が、健康・病気を相談しながら共同で診ていくことを目指します。人を思いやり、安心と満足をもたらし、心身共に幸せにできる医療を目指して行きたいと思っています。

新板橋クリニック

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新板橋クリニックからのお知らせブログ、診療案内や、病気のお話など
ぽっくりいくこつ
「ぽっくりいくこつ」



「ぽっくりいくこつはありませんか?」


外来で、高齢の患者さんから尋ねられたら、以前は、「そうですね・・。そんなこつがあったら、いいですよね・・。食事とか運動とか、いろいろ言いますよね。ぼくも、そんなこつがあったら、やりたいですね。わかったら、お教えしますね」


そんな、やりとりが、普通でした。

・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いろいろな「手段」があるでしょう。

座禅
断食
食事療法
玄米菜食
マクロビ
ヨガ
たまねぎ
健康グッズ
などなど

・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

往診をしているAさんの口癖があります
Aさんは、進行食道がんで、口から食事や水分がとれません
胃ろうから、栄養食や水分を注入しています
ご自分で、準備をして、注入
毎朝、5時には起床して、シャッターをあけ、窓をあけ、掃除をして、日常の日課を、規則正しく、きちんきちんと、されます

「心配をしたってしょうがないんだよ。なるようにしかならない」
「今できることを、きちんきちんと、するだけだよ」
「今できることを、毎日、毎日、やっていくだけだよ」
「あとは、病気が進んだら、体が弱って、死ぬんだよ」
「人間、からなず、死ぬんだから、それまで、やれることを、精一杯、毎日、やるだけだよ」

・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

往診している、胃がんで終末期のBさん
Bさんは、目がほとんどみえません
認知症のため、短期記憶が失われています。すぐ前のことを覚えていません。

「ああ、幸せ・・」
「先生、どちらから来たの?」
「あら、随分遠くから」
「手が冷たいわね」
「ああ、この手が気持ちよくて・・・」
「それでは、もう寝ます。お休みなさい・・」
にこにこしています。

いつ往診しても、その会話を繰り返します。

・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ぼくは、思うのです。

手段ももちろん大切。

病気にならない
長生きできる
ぽっくりいける

けれども、

多くの方から教えていただいたこと

それは

こんな合い言葉

「まあ、こんなもんだ(ね)」
「今、できることを、きちんきちんとやる」
「これで、いいのだ(ね)」
「しょうがないな(わね)」

・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


最近は、こんな会話が増えてきました。

相手:「ぽっくりいくこつはないかしら?」

一緒に声をあわせます。

不安になったり、心配になったり、以前のようにできなくなったり、思うようにいかなくなったり、どこか、調子が悪いときに

「まあ、こんなもんね」
「しょうがないわ」
「これで、いいのね」


そして、今、できることを、毎日、きちんきちんと続ける

ぼくは、思うのです。


手段や検査や薬に頼らず(それだけでなく)、意を健やかにすれば、ぽっくりのこつが観えてくると。

そして、

意を健やかに、一緒にやっていくのが、よりそっていくのが、支えて行くのが、医療であり、家族であり、地域やコミュニティーだと。

みんなで、ぽっくりいかれるのが

これからの医療・社会。健康(長寿)医療・社会。