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肝内胆管癌ガイド
肝内胆管癌ガイド

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□ はじめに

肝内胆管癌は原発性肝癌の約3.6%を占め、肝細胞癌と比べてリンパ節転移の頻度が高く、予後が不良である疾患です。治癒切除(肉眼的に癌を取り切った状態)例においても再発を起こしてくることが多く、しかも切除後の転移再発巣に対しては現在のところ効果的な治療法が確立されていません。非治癒切除例(肉眼的に癌が取り切れていない状態)においても、効果的な治療法が確立していないことから、その予後は不良です。

そのため

●1. 治癒切除(肉眼的に癌を取り切った状態)を目標に手術を行なうこと
●2. 治癒切除を行った後に、再発を抑制するための補助療法を行なうこと


の2つが重要になってきます。

肝内胆管癌では治癒切除を行なうために、肝切除、肝外胆道切除・再建やリンパ節郭清術を行なうことがしばしば必要となるため、熟練した肝切除の技術が必要になってきます。

また外科的に肝内胆管癌を切除するのみでは治療成績を向上させることは困難です。安全に治癒切除を行なった後、どのような補助療法を組み合わせて再発を予防していくかが肝内胆管癌に対する治療の進め方になります。




□ 1. 肝内胆管癌の肉眼分類と切除成績

 肝内胆管癌は肉眼的に腫瘤形成型、胆管浸潤型、胆管内発育型の大きく3つに分類されます。

肝内胆管癌ガイド01


肝内胆管癌ガイド02


肝内胆管癌で切除後の成績を左右する因子は大きく2つあり
●1. 治癒切除か非治癒切除であるかどうか
●2. リンパ節転移があるかどうか
が重要です。

非治癒切除(肉眼的に癌が取り切れていない状態)や手術不能であった場合、多くの方は2年以内に死亡され予後は不良です。

肝内胆管癌ガイド03


一方治癒切除(肉眼的に癌を取り切った状態)であった場合、手術後の5年生存率(無再発という意味ではありません)は50%近くになります。したがって肝内胆管癌ではまず治癒切除を得ること(肉眼的に癌を取り切った状態)が重要であることが分かります。

治癒切除や非治癒切除に関わらず、郭清リンパ節(手術で一緒に切除したリンパ節)に転移を認めた場合、5年生存率は3%程度に過ぎません。治癒切除を行なったにも関わらず郭清リンパ節(手術で一緒に切除したリンパ節)に転移を認めた場合、5年生存率は15%程度にすぎません。一方、治癒切除を行ないかつ郭清リンパ節の転移陰性例では5年生存率は70%程度になります。

肝内胆管癌ガイド04


肝内胆管癌ガイド05


肝内胆管癌ガイド06


以上のことから肝内胆管癌は、治癒切除を行なった場合でもリンパ節転移を認める場合は予後が良くないため、外科切除を行う場合は積極的に再発を抑制する補助療法を行なうことが必要です。




□ 2. 術後補助療法

手術後の補助療法として、抗がん剤治療(化学療法)が行なわれる場合がありますが、抗がん剤治療が肝内胆管癌の手術後の再発を抑制するかどうかは科学的には証明されていません。そのため、再発の危険性が高いと判断される場合も、手術後に補助療法が行われないことがあります。しかし、上記で述べたように、治癒切除後の再発リスクが高く、切除成績の良くない例では、手術単独治療は避けるべきでしょう。




□ 3. 肝内胆管癌治療の考え方

フローチャートにまとめることができます。

肝内胆管癌ガイド07


免疫細胞療法、化学療法、放射線療法のどれをとっても現在有効性が証明されていないため、肉眼的に癌を取りきることが可能であれば、Qualitiy of life(QOL:生活の質)を損なわない範囲で、外科手術を検討するのが原則です。その上で手術後に補助療法を行なうことが必要です。術後補助療法としては免疫細胞療法、全身化学療法が第1選択となります。

また化学療法では、肝内胆管癌に対してジエムザールやTS-1が有効かもしれないという報告も出てきたため、非治癒切除例、手術不可能例や再発後の手術不可能例では、ジエムザールやTS-1を使用した化学療法も行なわれています。




□ おわりに

肝内胆管癌と診断されこれから手術を受ける予定の方、あるいは以前に手術を受けられその後再発を起こしたため再手術を受ける予定の方は、是非術後の再発予防のための補助療法についてお考えください。

テーマ:オンコロジー - ジャンル:心と身体