他の分子標的治療薬について 新板橋クリニック Version 2009.9
POINT ●Sorafenibと同等の効果を証明した分子標的治療薬はない
VEGFを標的とする治療
SUTENT(スーテント) (1)phase II study 手術不能な肝細胞がん患者37例を対象に、1日50 mgのSUTENT(スーテント)を4週間連日服用し2週間休薬するスケジュールで治療効果を検討する第II相臨床試験が行われた。1例で腫瘍の縮小が認められ39%の患者に安定状態が認められた。
(2)Phase II study 手術不能な肝細胞がん患者34例を対象に、1日37.5mgのSUTENT(スーテント)を4週間連日服用し2週間休薬するスケジュールで治療効果を検討する第II相臨床試験が行われた。1例で腫瘍の縮小が認められ16例の患者に安定状態が認められた。
(3)SAKK 77/06 and SASL 23, ASCO 2009 #4591 前治療歴のない手術不能な肝細胞がん患者45例を対象に、1日37.5mgのSUTENT(スーテント)を連日服用するスケジュールで治療効果を検討する第II相臨床試験が行われました。1例で画像上腫瘍の消失が認められ、18例の患者に安定状態が認められました。全生存期間の中央値は9.3か月、無増悪生存期間の中央値は2.8か月となりました。また、12週間以上無増悪生存が継続した症例が45例中17例(independent reviewにて)で認められました。
上記の3つの第II相臨床試験の結果から、SUTENTが有望な治療となる可能性が推察されます。
Bevacizumab(avastin)
(1)Phase II study 肝臓外転移をもたない進行肝細胞がん46例を対象に、アバスチン5 mg/kgあるいは10 mg/kgが2週に1回投与されました。奏功率は13%(6例)、無増悪生存期間の中央値は6.9か月でした。
(2)Phase II study:GEMOX GemcitabineとoxaliplatinとBVを併用する化学療法が施行されました。30例の患者が登録され、奏功率は20%、全生存期間の中央値は9.6か月でした。
(3)Bevacizumab+erlotinib:ASCO 2009 #4585 韓国で第2相臨床試験が行われており、51例が登録され中間報告では奏功率5.9%、腫瘍制御率は45.1%でした。 EGFRの発現やKRASの変異の有無は調べられていません。
Brivanib
(1) Phase II study: ASCO 2009 手術不能進行あるいは転移性肝細胞がんを対象にbrivanibの第2相臨床試験の中間結果が報告されました。B型あるいはC型肝炎ウイルス陽性でAFP400以上の患者が96例登録され、前治療なしが55例(コホートA群)、brivanib以外のVEGF阻害剤を投与された後の患者が41例(コホートB群)でした。コホートB群の41例中38例はsorafenibが投与されていました。 アジア人はA群で64%、B群で67%、HBVはA群で53%、B群で65%、HCVはA群で22%、B群で17%(ウイルス陽性はA群で85%、B群で82%)でした。また、肝臓外転移はA群で76%、B群で78%でした。
中間成績では、50%以上AFPが低下した例は、コホートA群で49%、コホートB群で43%、奏功率はそれぞれ5%と2%でした。腫瘍増殖制御率(SD+PR)は、A群で47%、B群で53%でした。腫瘍が増殖するまでの期間(TTP)の中央値は、A群で2.8か月、B群で1.4か月となりました。全生存期間の中央値は、A群で10か月、B群で9.8か月でした。
以上の中間成績からは、brivanibは初回治療、sorafenib後の2次治療どちらにも有望であるとわかりました。
EGFRを標的とする治療
Erlotinib(Tarceva)
(1)Phase II study 手術不能あるいは転移性肝細胞がん38例を対象に、Erlotinibが投与され、6か月間安定状態となった患者が12例(32%)に認められた。
(2)Phase II study 未治療の手術不能進行肝細胞がん40例を対象に、1日150 mgのErlotinibが投与されました。17例で安定状態が認められましたが、縮小は0例でした。生存期間の中央値は11か月でした。
Lapatinib(Tykerb)
(1)Phase II study 手術不能進行肝細胞がん患者26例を対象に、lapatinibが1日1500 mg、4週間連日投与された。8例(31%)が安定状態となった。
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